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今日の昼めし

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おとといの放送だったが録画して、きょう再びみた。「泣きながら生きて」という中国人家族の15年間の歩みを追った芸術祭参加のドキュメンタリ-だ。
父親の丁さんは、文革世代。若い頃「下放政策」で上海から貧しい農村へ送られ厳しい労働を強いられた。文革が終わり、妻と上海へ戻るが、待っていたのは貧困と絶望の毎日。
丁さんは35歳の年にふとしたきっかけから人生再起の道を日本留学に求め、多額の借金をし、上海に妻と一人娘を残し日本へ旅立つ。
しかし不幸なことに日本の就学先は北海道の奥地阿寒町。働きながら学ばなければならない中国人就学生にはあまりに厳しい環境だった。
やむをえず北海道を脱出した丁さんは、東京で不法就労者として働く道を選ぶ。自らの果たせなかった夢を中国に残した一人娘に託す。働いた金を全て中国に送金し、一途に働くのだ。
娘はそんな父の思いに応え必死に勉強し、医者を志してニューヨーク州立大学に合格する。
東京で仕事をいくつも掛け持ちし働き続ける父親、上海で夫を信じ娘を按じ、つつましく暮らす母親、遠くにいても両親の痛いほどの愛情を感じながら夢を追う娘。
東京、上海、ニューヨークで別々に生き、泣きながらも、心を一つにし互いを思いやり絆を深めていく家族。カメラは、そんな家族の表情を15年の歳月を静かに追い続ける。
「人間は弱いものです」でも希望があれば生きていける。「人生は捨てたもんじゃない」。日本を去る前、阿寒町を訪れた丁さんは、万感の思いを込めて笑顔でそう語った。

かす汁、めし、おでん(しょうが醤油のタレで)。自宅にて
by inaminoTORAsan | 2006-11-05 12:49 | 食のこと


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